皆さんは質屋でお金を借りたことはありますか。多くの方はカードローンやキャッシングの経験はあっても、質屋の借入れは未経験だと思いますし、質屋でお金を借りることが出来ることを知らない方も多いと思います。
質屋は、ブランド買取店やリサイクルショップの様に不要な時計や貴金属、ブランド品を売ったり、中古のブランドバックを購入したりするだけでなく、初めての利用でも20~30分程度で簡単にお金を借りることが出来るのでご紹介します。
目次
質屋でお金を借りる方法
質屋でお金を借りるには、質入れするための品物が必要です。質屋はこの品物を査定し査定額を付けて、品物を担保として預かりお金をお貸ししています。消費者金融のように個人の信用情報を見て融資額を決定するのでなく、お持ちいただいた品物の査定額が借入額の上限になるのです。
質取引の開始時に、金額や返済期間が記載された質札という用紙が発行されますが、預かり証にも該当するので、返済が終わるまで無くさないようにしましょう。質屋の取引特有の呼び方ですが、質屋に預ける品物を質草、質取引を始める日を入質日などど言ったりすることが有ります。
現在の質屋が質入れで預かる品物は、高級腕時計、ブランドバッグ、ダイヤモンドやエメラルドなどの宝石類、金やプラチナなどの貴金属が多いです。最近では、アップル社のIphoneやIpadといったスマートフォン、タブレット、Macbookのようなパソコンを預かってお金を貸す質屋もあります。
質屋が預かる品物 | |
高級腕時計 | |
ブランドバッグ | |
ダイヤモンド等宝石類 |
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金やプラチナ | |
スマートフォンやパソコン |
質屋でお金を借りる時に特別な手続きは必要ありません。質入れする品物、本人確認用の身分証明書を持って質屋の店頭に行けばよいのです。10万円程度のお金を借りる場合、店頭に到着して品物の査定をしてもらい、名前や住所や連絡先を所定の紙に記入しお金を受け取るまでに、20分から30分程度の時間があれば十分でしょう。
質屋に預ける品物と、身分証明書を持って質屋へ行く |
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質屋で名前、住所、連絡先、勤務先などを必要書類に記入 |
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現金と質札を受け取り 質札には借入金額、返済日などが記載されている |
質屋の利息はどのくらいか
質屋の利息は月利で示されていることが多く、だいたい1%~5%くらいに設定されているお店が多いようです。質屋の利息は質屋営業法で上限金利が定められているだけなので、貸出金額ごとの利息はお店ごとに決めることが出来ます。そして質屋の利息は消費者金融などの法定金利とは異なったもので、過払い請求の対象になることは有りませんが、両者の金利差は少なくなりつつあります。
弊社 須賀質店は池袋、渋谷、五反田と、都内3店舗で営業しており、いずれのエリアも東京では老舗の質屋が複数ある競争の激しい地域です。そのために、より低い利息の設定を目指して日々努力しています。
須賀質店の利息は以下の通り
借入れ金額 | 100万円以上 | 30万円以上100万円未満 | 10万円以上30万円未満 | 10万円未満 |
利息(月利) | 1.2% | 1.5% | 1.8% | 2.3% |
質屋の利息の計算方法は
質屋の利息は月利で表示されています。ひとつの例として、このサイトの運営会社 須賀質店の利息は以下の通りで、表示方法は月利です。利息の表示方法が月利なので、日割り計算の質屋は少ないと思います。
具体的な返済金額は以下の通りなので、参考にご覧ください。なお、須賀質店では15日以内の返済については月利の半額をご案内しています。月利で単純計算してしまうと、数日間の期限の超過でも1ヵ月分の利息の案内になりお客様の負担が多くなることを考慮しているのです。
50,000円借りて15日以内に返済すれば金利は580円(2.3% 月利)
50,000万円借りて1ヵ月以内に返済すれば金利は1,150円(2.3% 月利)
100,000万円借りて15日以内に返済すれば金利は900円(1.8% 月利)
100,000万円借りて1ヵ月以内に返済すれば金利は1,800円(1.8% 月利)
300,000万円借りて15日以内に返済すれば金利は2,250円(1.5% 月利)
300,000円借りて1ヵ月以内に返済すれば金利は4,500円(1.5% 月利)
⇒上記の例は平成31年4月19日現在の支払い例です。
質屋の利息の返済方法は
質屋の利息の支払いは3ヵ月に一度の後払いになります。質入れした日(入質日)に借入れ期限を決めることがなく、元金については、元金一括返済になります。質屋の利息や金利のことを「質料」と呼ぶことがありますが、質屋への支払いには金利の他に品物を保管する「保管料」が含まれるので、別の名称がつかわれていると言われています。
質屋の返済は3か月ごとに3か月分の利息の支払いだけになるので、返済額は一定になるのが普通です。また、入質日に完済日を決めないので、利息の支払いが続く間は質屋は品物を質蔵で保管し続けることになります。
完済日を決めないで利息の支払いが続くと言われると、永遠に支払いが続くように思えて怖く感じますが、お客様が支払いを辞めたくなったら、預けた品物を諦めて支払いをとめるという「質流れ」という手段があります。
借り手の意志で借りたお金の返済をやめる方法がある借入れは、質屋からの借入れだけです。金融機関からの借入れは、借りたお金が完済されるまで続くのが普通ですね。
カードローンやキャッシングは、借入れの契約時に借入期間と返済額、支払金利を決めて、毎月金利と元金の支払いを借入れ期間中続けることになります。カードローンやキャッシングの返済は、元金と利息の金額が変わるので毎月の返済額が異なってきます。
⇒質期限を過ぎてしまうとどうなるの?
質期限を忘れていて期限が過ぎてしまった時はどうなるのでしょうか。質期限は流質期限とも呼ばれていて、この日を過ぎると質流れになって預けている品物が処分されてしまう質契約では重要な日です。質屋は質期限日をお知らせしない店が多いので、この日を忘れているお客様も多いです。
質期限日を忘れているお客様が多いので、須賀質店ではこの期限日の数日前に電話でお知らせするようにしています。今ではひとり1台スマートフォンを所有する時代になったので、お客様のプライバシーに配慮しつつ大切な質期限日をお知らせできるようになりました。
須賀質店の場合、質期限日(流質期限日)の数日前に電話連絡をした時に事情があって期限までに利息の入金が出来ない場合は、お客様の事情を考慮して利息の支払いをお待ちするようにしています。お客様の事情にもよりますが、1か月程度利息の支払いをお待ちすることも少なくありません。
質期限日(流質期限)の扱いについて、他社ではどのようにしているかはわかりませんが、期限を数日過ぎていても早めに連絡することで質流れを待ってもらうことは出来ると思います。
銀行や消費者金融でお金を借りる方法
一般的に金融機関でお金を借りる場合、借り手の信用度が高いほど低い金利が適用されます。中小企業が銀行から運転資金の借入れをする場合、無担保3年返済で年利1%~2%くらいではないかと思います。個人のお客様であれば銀行では年利10%程度で貸し出しをしているようです。
個人にしても法人にしても、銀行から無担保でお金を借りるとなると、いろいろ厳しい審査を通らなければなりません。個人の場合は、現在の借入れ状況、過去の返済の履歴、収入、勤務先、勤続年数などを信用情報機関で照会し融資の審査しますし、法人の場合は過去3期分の決算書を精査され赤字であれば融資を受けるのは難しいでしょう。
質屋の利息、金利はどのくらいなのか まとめ
こちらのページでは質屋の利息について、弊社 須賀質店の事例を例に挙げてご説明してきました。
須賀質店の利息は月利で1.2%~2.3%の間で、借入れ金額によって異なってきます。他の質店の利息に付いて調査をしたことがないので、利息について自社のホームページで記載のある質店の利息を見てみると、借入れ金額が多くなると弊社よりも利息が安い質店はあるようです。
ただし、質屋の利息が月利で1ヵ月ごとに利息を計算しているなかで、弊社は半月ごとの計算を取り入れているので、最終的な支払い利息は計算してみないとわからないですね。
質屋の利息を消費者金融や銀行のカードローンの利息と単純に比較して、質屋の利息が高いことに言及しているホームページもあるようですが、質屋からの借入れは、返済が滞っても厳しい催促や取り立てが無いとか、信用情報の照会がないので現在や過去の借り入れ状況を問われないとか、年齢制限や借入れ上限がない等、消費者金融や銀行のカードローンにはない特徴があります。
またお金を借りた方(債務者)が、「今後はお金の返済をしません」と一方的にお金を貸した方(債権者)に申し入れが出来て、その後に何の催促や取り立て、連絡もないという、お金の貸し借りの業界ではとてもユニークな契約でもあります。
おそらく、銀行関係者の方やクレジット業界に携わっている方が聞いたら、質屋のお金を借りるシステムについてはびっくりされると思いますが、間違いではないのです。そもそも契約事体が「金銭消費貸借契約」と「質契約」と別物なのですから、ご存じない方は驚かれるでしょうね。。。。
もちろん、質屋からの借入れは担保になる品物がなければ借りれない、最初の質契約(入り質日)には店頭に行かなければならない等のデメリットもあるので、ご利用されるお客様が上手に使い分けるのがよろしいと思っています。