リサイクルショップと質屋の違いは何か

【質問】

 

質屋、リサイクルショップ、買取店の違いは何でしょうか?

 

 

【回答】

 

最近では、自分の身の回りにあるものがお金に換えられることが認知されてきたせいか、買取店やリサイクルショップの店舗がたくさん目につくようになってきました。取り扱う商品を貴金属やブランド品に限定した貴金属買取店やブランド買取専門店などの広告も、新聞の折り込みチラシなどに入ってくるようになりました。どのお店も買取価格を掲示しながら高価買取を宣伝していますが、実際のところどこが一番高いのでしょうね。

 

みなさんは質屋、買取店、リサイクルショップの違いがわかりますか?お手元の貴金属やブランド品を売る時って、お金が必要な時に違いありませんが、そもそも売って手放さなければお金を手にすることが出来ないのでしょうか?

みなさんがいつの日か質屋、買取店、リサイクルショップを利用する時のために、現役の質屋 須賀質店が詳しくご案内させていただきます。

 

 

質屋、買取店、リサイクルショップは、それぞれ提供するサービスが異なる

 

質屋の店頭で仕事をしていると、みなさんが質屋と買取店とリサイクルショップを同じものとして考えていらっしゃるように感じます。それぞれの仕事には似ている部分と、全く異なる部分があるのです。

 

building_shichiya

 

 

①質屋

 

質屋の提供するサービスは「質入れ」と「買取」です。現在の質屋は、店頭で中古ブランド品の販売などをしている店舗もあるので、「質入れ」「買取」「販売」の3つが質屋の提供するサービスと言えるかもしれません。

 

質入れは、お客様がお持ちになった品物を査定して、その査定額に見合うお金をお貸しするサービスです。質屋は持ち込まれた品物を担保として預かる代わりに、お客様にお金をお貸しし、毎月の利息を受け取ります。借入期間は3ヵ月ですが、利息を払うことで延長することも可能です。

 

借りたお金の返済の方法は、借入期間3ヵ月の間に元金と利息を支払えば品物は戻ります。借入期間3ヵ月の間に元金と利息が支払えない場合は、質流れといって品物は質屋の所有物になる代わりに、お客様は元金と利息両方とも支払う必要はなくなります。

 

質屋の買取は、店頭にお客様がお持ちになった品物を査定して、査定額に了解していただければその場で買取金額を渡して取引は終わります。質屋は質入れされる品物が宝石、ブランドバッグ、高級腕時計など、新品価格が数百万円するような商品が多数持ち込まれます。

 

この理由は、数百万円するような高級ブランド品であっても、中古品での価値を考えると新品価格の20%~40%程度になることが多いと考えると、質屋で50万円借りることを考えた場合、高級ブランド品などが担保になることが多いからです。

 

質屋は質入れでも買取でも、取り扱う商材が高額品になることが多いので、店頭の査定員も目利きの能力、鑑定力が高くなければ査定を行うことが出来ません。例えば、ダイヤモンドの査定の場合、4Cと呼ばれる4つのグレードから組み合わされる評価は多数にわたり、その見極めをルーペひとつで短時間に行うというのは多くの経験と地道な鍛錬を積み上がなければ習得できないスキルです。質屋の査定員は、鑑定士と呼ばれるレベルのスキルを身に付けたものが多数存在します。

 

 

②買取店

 

買取店の提供するサービスは「買取」です。質屋がおこなう質入れは対面取引をしなければいけませんが、買取は非対面の取引も可能なので、品物を店舗に送ってもらって買取をする「宅配買取」や、お客様の自宅に行って買取をする「出張買取」も可能です。

質屋も買取の取引であれば「宅配買取」や「出張買取」が出来ますが、非対面での質入れは質屋営業法で禁止されているので、宅配質入れや出張質入れは出来ません。

 

買取店も販売をしている場合が多いので、買取と販売が主な仕事になっているといえます。

 

買取店の取り扱う商材は、質屋があつかう様なブランド品、貴金属、宝石、ジュエリー、高級時計の他に絵画や美術品、骨董品等を扱う業者もいます。そして、いろいろな商材を取り扱うのではなく、特定の商品だけを買取する〇〇買取専門店の様な買取店もあるようです。

 

美術品や骨董品は、質屋でも取り扱う業者がおりますが、質屋は自社の質蔵という倉庫に収まる品物を中心に取り扱うために、あまり大型の商品は取り扱うことが有りません。冷蔵庫やテレビ、オフィス家具、自動車、オートバイ等は買取店の取り扱う商品であるといえます。

 

また、書籍は以前から古本屋さんの取り扱う商材として買取されていましたが、現在では書籍買取の店舗ではゲーム機やCD、スマートフォンなどの商品を取り扱っていて、古本屋のような雑多な薄暗い店舗ではなく明るくクリーンな店舗に様変わりしましたね。

 

building_recycle_shop

 

③リサイクルショップ

 

リサイクルショップの提供するサービスは「買取」です。リサイクルショップはほとんどが店頭販売をしているので、買取と販売が主な仕事といえます。

リサイクルショップの取り扱う商材は、買取店が扱う商材よりもより日常的な商品に近くなっています。主な商材は衣類、日用雑貨品、家具や家電製品、自転車、道具類などが主な物でしょう。

 

リサイクルショップも質屋や買取店が扱うようなブランド品、貴金属やダイヤモンド、宝石などを取り扱いはしていますが、これらの高級高額な商品はその査定や鑑定に専門的な知識とスキルが必要なために、リサイクルショップのスタッフにこうした能力が備わった人材がいるとは思えません。もし、いるにしても全店舗に配置することは難しいので、高級品は預かりの査定になる場合があります。

 

 

質入れは質屋でしかできない

 

ここまでお読みいただいた皆さんは、もうお分かりになっていただけると思いますが、質入れと買取は全く別の取引です。質屋は「質入れ」と「買取」の両方の取引が出来ますが、買取店やリサイクルショップは「買取」の取引しかできません。

 

「質入れ」は質屋営業法という営業法に基づいて取引が行われ、「買取」は古物営業法という法律に基づいて営業が行われるために、営業を行うための許可が異なるのです。質屋が質入れと買取の両方の取引が出来るのは質屋営業許可と古物営業許可の両方を持っているためなのです。

 

質入れ⇒⇒ 品物を担保に預けて、品物の査定額に見合うお金を借入れすること。借入れ期間は3ヵ月で、元金と利息を払えば品物はもどる。質流れにして品物をあきらめれば、借りたお金と利息を支払わなくて良い。

 

買取⇒⇒ 品物を査定して、査定に見合うお金を受け取り品物を引き渡す。非対面の取引が認められていて、商品を郵送して買取らせることも可能

 

 

質屋と買取店、リサイクルショップで一番高く査定するのは?

 

さて、質屋と買取店とリサイクルショップで、一番高い査定価格を付けるところはどこなんでしょうか?

この答えは、それぞれのお店が、どのような商材を得意にしているかによると思います。

 

質屋は、質入れの仕事を長くやってきたために、ダイヤモンドや宝石、高級腕時計ブランドバッグなどが集まってくるために、こうした高額品の鑑定や査定の経験を多くしています。また、高額品が質流れになれば、処分しなければならないので売却先や、より高い値段で処分する方法を熟知しているといえます。

 

ただ、質屋はその業種的な特性で、人目に付かない様な場所に店舗を構えているところが多いのです。お金を借りに行く=恥ずかしいことである、という考えからか裏通りとか住宅街でひっそり営業していることが多いので、初めて利用する方は入りにくいかもしれません。

 

買取店は家電製品や家具、電動工具、オートバイ、自動車など、大型で運搬が難しい様な商材を買取してもらう場合に相談してみるのが良いでしょう。現在は、郊外に大型の駐車場を併設した店舗型の買取店が多数存在しています。

 

リサイクルショップは、衣類をはじめ雑貨、日用品、おもちゃ、玩具など身の回りにある身近な製品を買取してもらう時に相談してみると良いと思います。

 

質屋や買取店、リサイクルショップはどこが一番高い査定価格を付けるのかという話は、買取してもらう商品によって変わってくるということです。より高い買取査定価格をお望みであれば、買取してもらう商材に合わせて質屋、買取店、リサイクルショップを使い分けながら、それぞれの店舗で複数店の見積もりを取って見るのが良いと思います。