質屋と買取店の違いは? 須賀質店が解説します!
「質屋とは?」皆さんが質問されたらどのように答えますか?
ブランド品やブランドバッグを安く売っているお店?
いらなくなった貴金属や、ブランド品を買い取ってくれるお店?
不要な日常品や衣類を買い取って、店先で販売しているお店?
どちらの答えも誤りではありませんが、正解というにはもう少し何かが足りないかもしれません。
では質問を変えてみて、「質屋と買取専門店とリサイクルショップは何が違うのでしょうか?」という質問はどうでしょうか?
なんか、みんな一緒じゃないの?
呼び方が違うだけでしょ、やってることはいっしょだと思う。
やってる仕事は同じだけど、質屋は暗くてあんまり行きたくないイメージかな。。。
最近はリサイクルとかリユースといった言葉がもてはやされて、テレビでも買取専門店や遺品整理の店舗が取り上げられるようになってきました。そんな中で、質屋が買取専門店やリサイクルショップと同じ店舗であると思われる方が多いように思います。
でも、日々質屋の店頭で質入れや買取をしている須賀質店が、質屋の立場で申し上げれば、リサイクルショップ、買い取り専門店、質屋はまったく違うお店なのです。こちらのページでは現役の質屋 須賀質店が、リサイクルショップ、買取専門店、質屋の違いをわかりやすく解説するとともに、「質屋とは」「質屋の上手な使い方」について、わかりやすくお話ししたいと思います。
【目次】
【1】何が違うんだろう??リサイクルショップ、質屋、買取専門店
①お客様の不用品を買取するのは、リサイクルショップ、質屋、買取専門店、いずれもやっている。
②買取する品物の種類が、リサイクルショップ、質屋、買取専門店をわけている
【2】リサイクルショップ、質屋、買取専門店、一番高い買取をするのはどこですか?
④業者専門オークションの落札価格を、質屋や買取専門店が参考にするのはどうして?
⑥まとめ リサイクルショップ、質屋、買取専門店、一番高い買取店はどこなの?
【1】何が違うんだろう??リサイクルショップ、質屋、買取専門店
最近ではメルカリ、質屋アプリCashといったフリマアプリの登場で、個人でも簡単に手持ちの不用品を売買できるようになりました。中古品の売買に関して、一般の人々の関心が高まり抵抗感もなくなってきて、一般個人の中にもアプリを使った転売で、お金を稼いでいる人もいるようです。
フリマアプリによる個人間売買の広まりは、「物を大切にする」とか「環境に優しい取り組み」といった考えが一般的になったこともありますが、一般個人でも物の買取や転売が可能になり、上手に買取や転売を使いこなせばお金を手にできることが広く知られたからだと思います。
一般個人がフリマアプリを使って不用品を売買する以前から、質屋をはじめリサイクルショップや買取専門店は不用品の買取や販売に携わってきました。リーマンショックが終息した2008年以降は、リサイクルショップや質屋の他に、金・プラチナの買取専門店、ブランド買取専門店、時計買取専門店など、特定の商品に特化した買取専門店が登場してきたのは、皆さんもご存じの通りです。
①お客様の不用品を買取するのは、リサイクルショップ、質屋、買取専門店、いずれもやっている
さて、このページの最初でお話しした「質屋と買取専門店とリサイクルショップは何が違うのでしょうか?」について考えてみたいと思います。お客様がお持ちになった不用品を買い取るという仕事は、どのお店でも行われていることなので、買取という仕事だけに注目するとリサイクルショップ、質屋、買取専門店の違いはないと言えるでしょう。
例えばルイヴィトンというブランドメーカーには「ジッピーウォレット」という長財布があります。周囲にファスナーが付いたラウンドファスナータイプの長財布で、ルイヴィトンの財布の中では人気のあるタイプの長財布です。
メーカー名 | ルイヴィトンモノグラム |
型番 | M42161 |
画像 |
このルイヴィトンの長財布をリサイクルショップ、質屋、買取専門店にそれぞれ持って行って「この財布を買取ってください、といえば、どのお店でも買取はしてもらえます。ただし、買取の価格、査定にかかる時間、査定員が慣れているかどうかの違いは大きな差が出るでしょう。
物の買取は、リサイクルショップでも質屋でも買取専門店でも行われていることはわかりました。では、リサイクルショップ、質屋、買取専門店の違いは何でしょうね。リサイクルショップ、質屋、買取専門店の棲み分けは、どのようになっているのでしょう。
②買取する品物の種類が、リサイクルショップ、質屋、買取専門店をわけている
皆さんの不用品は、さまざまな種類に分かれていると思います。まったく価値のないゴミもあれば、今まで大切に使っていた時計やバッグで、新しい時計やバッグに買い替えたので古い物が不要になった等、ひとくちに「不用品」といってもその内容はいろいろ別れるはずです。
実は簡単に言うと、リサイクルショップ、質屋、買取専門店の違いは、「どのような不用品や物を買取しているのか」という、取扱い商品の違いと言うことが出来ます。買取する物の違いで、リサイクルショップ、質屋、買取専門店の違いが出てくるのです。
①で例に出したルイヴィトンの「ジッピーウォレット」という長財布は、リサイクルショップ、質屋、買取専門店、どの店舗でも買取できましたが、ルイヴィトンの様なブランドメーカーの長財布を普段から取り扱っているかどうか、得意にしているかどうかの差が出るということです。
③日常品を買取するのがリサイクルショップ
リサイクルショップが主に取り扱う商品は、普段日常的に使っている商品と言えます。具体的に言うと家電製品、家具、衣類、浴室やトイレ周りの商品、おもちゃ、ゲーム機などが、リサイクルショップの買取、取扱い商品と言えるでしょう。
リサイクルショップが取り扱う商品は、買取の査定価格がそれほど高額にならずに、また買取の査定価格も商品によって大きな差が付くことはありません。そのため、リサイクルショップに持ち込まれるような物の査定価格を付ける作業は、それほど難しい作業ではなく、誰がやっても同じような査定価格になることが多いといえます。
④買取専門店と質屋が取り扱う商品は高額、高級品
リサイクルショップが取り扱う商品は日常品が中心で、買取査定価格を付ける作業もシンプルで、誰がやっても似たような買取価格に落ち着くお話をいたしましたが、買取専門店や質屋が取り扱う商品は高額品や高級品が中心になるので、日常品の買取のような簡単な話では終わりません。
買取専門店や質屋が扱う高級、高額品とは、例えばダイヤモンド、高級ブランドバッグ、高級ブランド腕時計、ルビーやサファイアといった宝石、金やプラチナで出来たアクセサリーなどが該当します。こうした高級、高額品は、見極める項目や調べる項目が多いので、実績のある経験者の元で一定期間の経験と訓練を積み上げなければ、正確な査定価格を出すことは出来ないといわれています。
例えば、高額品の代表的な商品であるダイヤモンドの場合、世界基準の鑑定基準である4Cを理解しなければなりません。この4Cとは、ダイヤモンドの
◆カラット(重さ)
◆カラー(色)
◆クラリティー(透明度)
◆カット(形状)
の4つの基準のことで、カラーは約12種類、クラリティは11種類、カットは5種類に分かれているために、4Cの組み合わせは無数にあるといえます。質屋や買取専門店の査定員は、小さなダイヤモンドをルーペでのぞきながら、カラット、カラー、クラリティ、カットの組み合わせを見極めて査定価格を絞り込んでいることになります。
こうした緻密な作業は短期間に身に付くものではなく、きちんとした習得課程にのっとり経験者の指導を受けながら、長い時間をかけてようやく出来るようになる作業であることがお分かりいただけると思います。
ここまでで、質屋や買取専門店が取り扱う高級、高額品は、調べたり見極める項目が多いので査定価格の算出が難しい話をいたしました。高級、高額品の査定価格の算出は難しいために、店舗によって、また査定をする担当者によって査定価格が違ってくる場合が良くあります。そうなると、ここまでお読みくださった皆様の中には「どこが一番高い査定価格を付けるんだろう」という疑問が残ると思います。
次の項目では、リサイクルショップ、質屋、買取専門店で、一番高い査定価格を付けるのはどこなのか、という点について、解説してゆきたいと思います。
①不用品の買取は、質屋、買取専門店、リサイクルショップ、いずれの店舗もやっている
②リサイクルショップの買取る品物は日常品、質屋や買取専門店が買取る品物は高級品と、取り扱う品物が分かれている。
③ダイヤモンドの買取は、買取の商材の中でも難しい商材といえる
【2】リサイクルショップ、質屋、買取専門店、一番高い買取をするのはどこですか?
皆さんが物を買取してもらう時に、一番関心があるのは「一番高く買取してくれる店舗はどこなんだろう」ということではないでしょうか。先にご説明したように、リサイクルショップと質屋、買取専門店の違いは、この3業種はどれも物の買取はするものの、買い取る物の種類が異なるといった解説をいたしました。
そして、リサイクルショップが取り扱う商品は日常品で、買取価格がそれほど高額でない物が中心になり、質屋や買取専門店が取り扱う商品は高級、高額品で、店舗によって買取価格の差が大きいといった解説をしましたね。では、一番高い買取をする業種や店舗はどれなんでしょうね。
①質屋や買取専門店は、どうやって買取価格を決めているの?
どの店舗、どの業種が高く買うのか を考える前に、質屋や買取専門店はどうやって買取価格を決めているのでしょうね。メーカーごとに新品販売価格の〇〇%で買い取ります、みたいな公式が有るのでしょうか。いえいえ、そんな一律の計算でわかるほど、高額ブランド品や高価な宝石類の買取価格の算出は簡単なものではないのです。高級品、高額品の買取価格の算出には、質屋や買取専門店が基準にしている数字があります。
質屋や買取専門店が買取価格算出に基準にしている数字、それが業者専門のオークション落札価格と呼ばれるものなのです。質屋や買取専門店のほとんどが、業者専門のオークション落札価格を参考にして買取価格を付けていると言って間違いはありません。
②業者専門オークションって何ですか?
業者専門オークションって、あまり聞いたことのない言葉ですよね。業者専門オークションを説明する前に、質屋や買取専門店は、店頭で買い取りした品物をどうするのかといった話から始めますね。
質屋も買取専門店も、皆さんから買った品物は転売して買取金額を回収することになります。質屋や買取専門店は転売の方法がいくつかあって、おもな方法は自社の店舗先で小売りをする方法と、業者専門オークションを利用して市場でセリにかけてしまう方法です。
業者専門オークションには、買取した品物を換金したい質屋や買取専門店が売手として品物を出品し、買手としては中古品ブランド販売店や小売りをしている質屋などが集まってオークション(競り)が実施されます。売手も買手もプロの業者ですから、オークションはとても速いスピードで実施されます。
業者専門オークションは、短ければ数時間で、長くても2~3日で終了し、売手である質屋や買取専門店は買取した品物を換金することが出来てお金を回収できます。反対に、買手である中古品ブランド販売店や小売りをしている質屋などは店頭に並べる商品を、短時間に大量に仕入れることができます。
スピーディーに換金と仕入れが出来る場として、買取を仕事にしている質屋や買取専門店にとっても、小売をしているブランド販売店などにとっても、高級品や高額品の業者専門オークションはとても便利な存在なのです。
③業者専門オークションの取引事例が買取価格の参考になる
この業者専門オークションですが全国で日々多数開催されていて、その規模もさまざまなものなのです。顔見知りの同業者が集まって数十人でおこなうオークションもあれば、全国から商品を数億円単位で集めて、広いオークション会場にモニターテレビを設置して百人単位の買手が競り合うオークションもあります。
そして取り扱われる品物も、質屋や買取専門店があつかうブランド品や時計、アクセサリーや貴金属といった高額品もあれば、骨董品、絵画や美術品、電化製品、ダイヤモンドや宝石など多数にわたっています。
そして、多数の商品を多数のプロの業者が競い合って仕入れるために、それぞれの商品の相場価格という基準が作り上げられることになります。質屋や買取専門店は、業者専門オークションでプロの業者が競り合って付けられた価格を相場価格として、店頭での買取価格の参考にしているのです。
④業者専門オークションの落札価格を、質屋や買取専門店が参考にするのはどうして?
質屋や買取専門店は、仕事として物の買取をしていますから、買取した品物は買った値段以上でお金に換えることが出来なければ仕事として成り立ちません。また質屋も買取専門店も、限られた資金をうまく活用して資金繰りをしなければ、店舗運営が出来ないという事情もあります。
お客様希望で高値買取をしてしまって、自社の店頭に並べたり自社のWebサイトに載せて、売れたのが1年後だった、では仕事にならないですね。売れたとしても買取金額と同額に近い金額だったりしたら、資金も時間も無駄になって、店舗の運営に支障がでてしまいます。
そのために、質屋や買取専門店の査定員は、業者専門オークションの落札価格を参考にして、この落札価格を自社の買取価格の上限にすることが多いと言われています。買取したものを自社の店頭で小売りしたり、自社の販売サイトで高値で販売をしながら、一定期間で売れなければ業者専門オークションでセリにかけて現金化する、という資金回収の流れになることが多いのです。
⑤知っておいて損はない、質屋や買取店の社内事情
さて、感のするどい皆さんであれば、ここまでお読みいただいてもう感じていらっしゃいますね。
「質屋も買取専門店も、買取価格を決めるために参考にしている数字が業者専門オークションの落札価格であれば、ブランド品やブランドバッグや時計の買取価格は、どの店も同じになるんじゃないの?」
そのとおり、おっしゃる通りなんですが、そうはなかなかならない理由があるのです。おなじメーカーのブランドバッグやブランド腕時計を持ち歩いても、買取価格は店舗ごとにちがってきます。なぜだと思いますか?
○質屋、買取専門店といった業種にかかわらず、店舗ごとに営業の方針が異なるので買取価格に差が出る
質屋や買取専門店といった業種に関わったことではありませんが、店舗にはそれぞれ仕事のやり方とか、経営の方針というものがあります。今月はブランドバッグを集めよう、アクセサリーをたくさん買取したい、などの方針が有れば、店頭の査定員は買取価格を高めにして他社に負けない高い買取価格をお客様に提示します。
買取したい質屋や買取店が「他社より高く買うぞ!」とやる気を出しているのだから、このタイミングで買取をお願いできれば高値買い取りが期待できますね。
逆に、時計の在庫が増えているから、〇〇社のバッグは相場が下がってきているから買取価格を下げよう、などの方針になれば、時計や○○社のバッグの買取価格は低くなりますし、場合によっては買取を断る場合もあるかもしれません。
○新規に営業をはじめて、品物を集めるため、知名度を上げるために買取価格は高くする店舗がある
新規に開店した店舗で、営業の方針が「品物を集めるために他社に負けない買取価格を提示する」「他社と比較されていることがわかったら、それ以上の買取価格を提示する」のような、競合他社より高い買取価格を付けて品物を集める方針の店舗があれば、このお店の買取価格はとても高い買取価格になりますね。
また、こうした競合他社を意識した高い買取は、ブランド専門雑誌に掲載されたり、インターネットのニュースサイトなどでも話題になって、店舗の知名度は上がることになります。ただ、いつまでも続けられる方針ではないので、ある程度時間がたつと普通の買取価格になっていることが多いようです。
○複数の業者専門オークション落札相場を精査し、より高い買取相場を調査している業者の買取価格は高い
先にご案内した業者専門オークションですが、この業者専門オークションでも商品によって落札価格は多少の差があります。オークションは人間がかかわる「セリ」のために、その場の雰囲気が盛り上がって熱くなった買手が増えると、高値で競り落とされたりすることがあるのです。また、オークションごとに高値が付きやすい商品と、そうでない商品が異なっていて、オークションごとの特色の様なものもあります。
このように、複数のオークションの落札結果を研究して、少しでも高い買取価格を追求して自社の買取に反映させようとする業者がいます。このような商品ごとのわずかな落札結果を研究している店舗は、いつも高値の買取価格を提示できるだけでなく、査定員も買取相場の研究や、商品の知識の習得に努めているので、高い買取価格を付けることができるのです。
○出張買取や宅配買取は、出張費や郵送料の負担を業者がするので、高く買うことは難しい
物の買取では、皆さんが売りたい物をもって買取店や質屋を回るのがこれまでの手法でした。ところが、近くに買取店や質屋がない、売りたいものがたくさんあるので取りに来てほしいといった要望を受けて、出張買取や宅配買取といった手法が現れてきました。
宅配買取では「宅配キット」といって段ボール箱から紺包材を無料で送ってもらえるうえに、送料も買取業者が負担するところがほとんどの様です。そして宅配買取をキャンセルした場合でも、返送の送料も無料のシステムにしている業者が多いですね。出張買取も出張費は無料、出張して何も買えなかったとしてもキャンセル料は無料にしている業者が多いようです。
宅配買取や出張買取の様に、郵送料や梱包料がかかったり、専用の査定員を派遣するなどのコストがかかる買取手法では、本当は高く買取することは難しいのです。ブランド品をはじめ、質屋や買取店が買取る物の相場価格は、ある程度の範囲で決まってくるというお話をいたしましたが、その上で別のコストがかかってくれば、買取業者は買取価格を下げざるを得なくなるということです。
○買取だけでなく、他の仕事で収益をあげられる店舗は高い買取ができる
質屋や買取専門店といった業種にかかわらず、買取価格を上げてゆくと店舗の利益が減ってきて、場合によっては赤字になってしまうことがあります。少ない利益では店舗の運営が成り立たなくなってくるので、買取価格を上げた店舗は買取する数量を増やすことが必要になってきます。しかし、買取業界は競合他社が多く、簡単に買取する数量を増やせるほどやさしい業界ではありません。
もし、買取以外に収益をあげられる手法のある店舗であれば、高い買取価格を維持できると思いませんか? その一例が質屋です。質屋は「物の買取」を仕事にしていますが、「質入れ」「質預け」という仕事もあわせておこなっているのはあまり知られていない様です。
質屋はお客様の物を預かって、その品物に見合うお金を貸すという仕事をしていて、これが「質入れ」とか「質預け」といわれています。お金を貸すことになるので、元金を返済されるまでの利息が質屋の収益になるというビジネスモデルです。
このサイトの管理会社である須賀質店は、「質入れ」や「質預け」による利息の収益があるので、買取の収益は相当に少ないレベルまで落として、お客様に高い買取価格をご案内するようにしています。意外に思われるかもしれませんが、質屋は「質入れ」「質預け」の収益があるので、買取専門店やリサイクルショップを上回る買取価格を提示できるビジネスモデルを持っているといえるのです。
⑥まとめ リサイクルショップ、質屋、買取専門店、一番高い買取店はどこなの?
さて【2】の項目も終盤のまとめにはいってきました。皆さんがいちばん関心のある「リサイクルショップ、質屋、買取専門店のなかで、一番高く買うお店はどこなの」という質問の解説をしてみたいと思います。ここで前の「⑤知っておいて損はない、買取店の社内事情」こちらを思い出してみてください。
○質屋、買取専門店といった業種にかかわらず、店舗ごとに営業の方針が異なるので買取価格に差が出る
○新規に営業をはじめて、品物を集めるため、知名度を上げるために買取価格は高くする店舗がある
○複数の業者専門オークション落札相場を精査し、より高い買取相場を調査している業者の買取価格は高い
○出張買取や宅配買取は、出張費や郵送料の負担を業者がするので、高く買うことは難しい
○買取だけでなく、他の仕事で収益をあげられる店舗は高い買取ができる
こちらの5つの項目をご案内いたしました。こちらのご案内の中で、「質屋の買取は安いです」「買取専門店の買取は高いです」という説明はひとつもなかったと思いませんか。
その理由は、物の買取で高く買うかどうかは、業種の問題ではないのです。大手チェーン店の買取店であっても、品物が余って在庫が増えている様であれば高く買うことは出来ないでしょうし、小さな個人経営の質屋であっても、たくさんの商品の相場価格を研究し他社よりも高い査定をして品物を集める方針のお店の買取価格は高いということになります。
実はこのサイトの管理会社 須賀質店は、「質入れ」「質預け」に以前より力を入れていて、お客様の品物を預かって、その品物に見合うお金を貸すという仕事を中心に営業を続けてきました。品物の価値を見極める目利きについては、創業から100年ちかく培ってきた手法と、最新の業者専門オークションを多数研究し、高い相場価格の収集に努めています。
質屋は、買取だけでなく質入れという仕事もできるので、お客様にご案内する買取価格は買取専門店よりも高い価格を出しやすい業種でもあります。須賀質店では質入れでは業界最低水準の利息をご案内しながら、買取では業界トップクラスの買取価格を提示できる体制をととのえているので、ぜひお問い合わせになってみてください。
【3】質屋の「質入れ」「質預け」とは?
これまでに、「リサイクルショップ、質屋、買取専門店は何が違うのか」からはじまり、「リサイクルショップ、質屋、買取専門店でいちばん高く買うのはどこか」というご案内をしてきました。結論だけを申し上げれば、
○リサイクルショップ、質屋、買取専門店は何が違うのか ⇒物の買取はどの業種もやっているが、取り扱う品もが異なっている。リサイクルショップが取り扱う品物は日常品、質屋や買取専門店が扱う品物は高級品、高額品。
○リサイクルショップ、質屋、買取専門店でいちばん高く買うのはどこか ⇒物の買取で高く買うかどうかは、店の運営方針によるところが大きい。リサイクルショップ、質屋、買取専門店といった業種の問題ではない。
長いご案内になってしまってお疲れかと思いますが、最後に質屋のメインの仕事である「質入れ」「質預け」について解説したいと思います。
①「質入れ」「質預け」とは?
これまでは質屋や買取専門店の「物の買取」の話が中心でした。質屋は買取専門店と同じように「物の買取」が出来ますが、「質入れ」「質預け」という仕事もできます。「質入れ」「質預け」というのは、物を質屋に担保としてあずけて、預けた物に見合うお金を借りることをいいます。
そして、「質入れ」や「質預け」は質屋だけが出来る仕事で、買取専門店には「質入れ」や「質預け」は出来ません。また、買取では買い取ってもらった物を「やっぱり返してもらえないか」と言っても返してもらえませんが、質屋の「質入れ」や「質預け」の場合、お客様の品物は担保として預けているだけなので、借りたお金と借りている間の利息を払えば、品物を返してもらうことが出来ます。
②「質入れ」「質預け」の向いている人はどんな人?
自分の持っている物でお金を手に入れたいと思って時に、物がもういらない、必要ないと決めている時は買取の方が良いでしょう。ただ、持っている物が大切で思い出のあるものだったり、亡くなった方の形見だったりする場合は、「質入れ」「質預け」の方が良いでしょう。
質屋の「質入れ」「質預け」を利用すれば、物の価値に見合ったお金を借りることが出来るし、借りたお金と利息を払えば預けた物は返してもらうことが出来ます。
お金を借りる方法はいろいろな方法がありますが、消費者金融や銀行のカードローンの融資枠が上限に達してしまっている人も質屋の「質入れ」「質預け」利用が向いているといえます。質屋は消費者金融や銀行のカードローンの審査の時に利用する信用情報機関を利用しないので、利用する方の現在の借入れ状況を見ることがないのです。
もし皆さんの中で、消費者金融や銀行のカードローンでお金を借りれない状態であっても、担保として預ける品物があれば、質屋の「質入れ」「質預け」を利用してお金を借りることが出来ます。
また、急にお金が必要になったという方も質屋利用をされる方には多いです。財布を落として家に帰るお金がないとか、給料日まで5日あるのだが急に飲み会に誘われた、など短時間の審査すら待てないという方の中には質屋を利用する方がいらっしゃるように思います。
最近の質屋利用の方に中には、不動産や金融商品に投資をされていて、急に多額のお金が必要になったような方が多くいらっしゃっている様です。こうした投資家の様な方は、金融機関の審査を受けている時間的な余裕がないようで、担保となる品物があればすぐにお金を調達できる質屋を利用されている様です。
③質屋のシステムを簡単に教えて(預けられるもの編)
質屋の「質入れ」「質預け」のシステムを簡単にわかりやすくご案内しましょう。まず、質屋に預ける品物を用意します。質屋に預けられるものは、お金を借りるための担保になる物なので、高額品や高級品と呼ばれるものが中心になってきます。具体的には以下の様な品物です。
○ロレックス、カルティエ、ブルガリ、パテックフィリップなどの高級腕時計
○エルメス、ルイヴィトン、シャネルなどの高級ブランドバッグ
○ネックレス、指輪、ピアスなどのアクセサリー
○金やプラチナなどの貴金属
○ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドなどの宝石類
○ノートパソコン
○Apple Iphone Ipadなどのスマートフォン(スマホ)
○ウィスキー、バーボン、焼酎などの蒸留酒
④質屋のシステムを簡単に教えて(質入れの手続き編)
上記のような品物を用意し、質屋の店頭に出向きます。予約などは必要ないので質屋の営業時間中でご都合の良い時間に店頭に行けば良いでしょう。品物を査定員に渡せば、持って行った品物でいくらを借りれるか査定をしてもらえます。
あまり見かけることがない特別な品物であったり、大量に品物を持ち込まない限りは、査定員が査定に必要な時間は20分~30分くらいで、借入れ金額の上限の金額を教えてもらうことが出来ます。
借入れできる金額に了解すれば、質入れのための契約 質契約を取り交わすことになります。初めて質屋と質契約を取り交わす場合は、運転免許証などの身分証明書が必要で、書面に名前、住所、連絡先、生年月日、勤務先などを記入することになります。
ここで査定員から質入れのシステムについて、いろいろ説明があります。簡単に説明すると以下の様な内容を説明されます。
○質入れしてお金を借りる期間は3ヵ月ですが、延長することはできます
○3ヵ月以上質入れ期間が延びる様であれば、3ヵ月ごとに利息を払ってください
○借入れ期間の延長に上限はありません。お客様の都合でずっと延ばすことが出来ます
○返済が難しくなったり、預けた物が不要になれば、質流れ(流質)にして返済を止めることが出来ます
○質流れ(流質)にしたことで、質屋から取り立てや催促はないので安心してください
⑤質屋のシステムを簡単に教えて(支払う費用編)
さて質屋の「質入れ」「質預け」のシステムを簡単にご案内してきましたが、質屋でお金を借りた場合、皆さんはどの位の費用の負担をする必要があるのでしょうか。お金を借りる時にかかりそうな費用についてざっと考えてみましたが、この中で質屋の借入れでかかる費用は有りませんでした 。
銀行 | 質屋 | |
事務手数料 | あり | なし |
印紙代 | あり | なし |
保証料 | あり | なし |
鑑定料・査定料 | あり | なし |
質屋からの借入れでお客様が負担する費用は、借りたお金に対する利息(金利)だけになります。質屋の利息(金利)は、上限が決められていますが、それ以外は各店舗ごとに異なっています。このサイトの管理会社 須賀質店の利息(金利)は以下のとおりなのでご覧になってみてください。
借入れ金額 | 100万円以上 |
30万円以上 100万円未満 |
10万円以上 30万円未満 |
10万円未満 |
---|---|---|---|---|
利息(月利) | 1.2% | 1.5% | 2% | 2.3% |
例えば須賀質店で10,000円借りた場合、1ヵ月の利息は1,800円です。100,000円借りた例の場合、お客様が負担する年間最大の費用は1,800円×12か月=21,600円、年率で21.6%になります。
【4】質屋とは? まとめ
質屋とは?について、長々ご案内してきました。ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。このサイトの管理会社 須賀質店は現役の質屋なので、質屋をもっと良く知ってもらいたい、質屋を利用してほしいという思いもあって、長い解説になってしまいました。
「質屋を利用している」というイメージは、あまりポジティブなものではないようで、質屋を利用しているお客様は利用している事実を知られたくない方が大半のように思います。そのせいか、質屋の側も質屋業界について情報発信をあまりやってこなかったために、「何をしているのかよくわからない」「イメージが暗い」「信用できそうにない」などネガティブな印象が定着している感じがいたします。
そんな思いから、「質屋とは」というテーマで長い解説をした次第です。質屋はお金を借りる業界として、長い歴史のある業界です。質屋のビジネスモデルは似たようなものが世界中にあって、お金を調達する手段として、長く人々に利用されてきました。
質屋から借りたお金は返済が難しくなった時に、預けた品物を諦めればその後の返済はする必要がなくなります。(←これを質流れ、とか流質といいます)そしてお金を貸した質屋から、返済の催促や取り立ては一切ないのです。お金を借りて返せなくなったらどうしようか、という心配のない資金調達の方法が、ほかにあるでしょうか?
そして質流れや流質にする時に、お金の貸し手である質屋に連絡したり、相談する必要もないのです。お金の借り手が、自分の都合で「お金返すのやーめた」と決めて貸し手に連絡もしなくて良い。お金の貸し借りでこんなユニークな手段がある借り方は、質屋からの資金調達だけだと思います。
このサイトに訪れていただいた皆さんが、質屋に興味をもって質屋を上手にご利用いただければと思っております。