質屋営業許可を取って、質屋を開業するには?

質屋が語る 質屋営業許可を取って、質屋を開業するには?

このサイトの運営会社である須賀質店が、質屋の営業許可を取って質屋を開業する方法について解説しています。質屋は医者や弁護士の様に資格や免許が必要な仕事ではありませんが、質屋を開業する前には、質屋営業法に則り各都道府県の公安委員会から営業許可をとる必要です。

 

質屋の名前は知れ渡っていますが、質屋は仕事の実態があまり詳しく知られていないので、利用する方お客様からすると、来店するのが不安だったり怖がられたりするようですね。こちらのページをご覧いただければ、質屋になるには何年も学校に通って試験に受かって資格や免許を取らなければならないことは有りませんが、許可を取らなければ営業が出来ないことが判ります。

 

そして質屋の営業については、質屋営業法という法律が定められていて、質屋になれる人の条件、質屋営業に必要不可欠な保管庫についての詳細、無許可営業の禁止などについて細かく規定されています。

 

もしこちらのページをご覧の皆様方の中で、質屋の仕事に興味があり、実際に質屋になって開業してみようという方はぜひご覧ください。

 

◆この記事の執筆者◆ 須賀兼一

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質屋になるには質屋営業法に則り、営業許可を取らなければいけません

このサイトに訪れていただいて、質屋の仕事に興味を持っていただき、自分も質屋になって一旗揚げてやろう、そんなやる気のある方がいらっしゃれば、ぜひ一緒に質屋業界を盛り上げてください!質屋の仕事は現代風にアレンジすれば、まだまだ世の中に役に立つ仕事であることは間違いありません。

   

質屋を営業するにあたっては、店頭に持ち込まれる商品の知識や、質入れや買取の相場、真贋を判断する鑑定力などが必要ですが、これらの能力には学校などに通って資格や免許を取るものではありません。質屋の開業に必要なものは監督官庁の許可であり、開業のための手続きや開業後の営業の詳細については、質屋営業法という法律も定められています。

   

そして、質屋の営業を行うための許可は公安委員会で取得するものであることをご存知でしたでしょうか?そう、質屋は資格や免許は必要ありませんが、誰でも勝手に出来る仕事ではなくて、公安委員会=警察の許可をもらって初めて営業が出来る仕事です。

   

当然、代表者やその店舗の管理人は、管轄の警察署に自身の詳細がわかる書類を提出することになりますので、怪しい履歴の人が質屋になることはできません。質屋が警察の監督下にあるということを知るだけでも、怪しいとか怖いという仕事ではないということがお分かりいただけると思います。

   

質屋営業許可を受けられない人というのは、質屋営業法に欠格事由という項目が10項目ほど定められていて、こちらにひとつでも該当する方は質屋営業許可を受けることが出来ません。詳しい項目は触れませんが、住所が定まらない者、公安委員会が定めた質物の保管設備を有しない者には許可が下りません。

   

このサイトの運営会社 須賀質店の代表者の例で申し上げれば、質屋の代表であるがゆえに住所 電話番号 生年月日から、履歴書、職歴書まで池袋 渋谷 五反田の警察署に保管されています。質屋の代表者や管理人になると学歴や職歴まで警察に把握されていることになるのです。

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質屋営業法で定められた「質屋の保管設備」とは何ですか?

質屋はお客様から品物を預かって、それに見合うお金を貸付けすることを仕事としています。そのためにお客様から預かった品物は泥棒などの侵入者が入ってきても簡単には入れないような保管庫を用意しなければならないのは容易に想像できますね。質屋の営業を始めるにあたって、この保管庫(質蔵とも呼ばれています)の設置は必ず必要になってきます。

   

この保管庫(質蔵)の基準は、各都道府県で少しづつ異なっていますが、このサイトの運営会社 須賀質店の経験で申し上げれば、東京都の場合、床面積が11㎡以上で容積が30㎥でかつ2時間耐火構造でなくてはなりません。また貴重品を保管するので堅牢な扉と鍵の設置が義務付けられています。

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具体的な質屋営業許可の申請方法は?

このサイトの運営会社 須賀質店の代表は、自身で2つの新規の質屋営業許可を取得していて、また保管庫(質蔵)関しては3カ所で設置の経験のある質屋です。最初は何もわからずに質屋開業時に随分苦労したようですが、いちど質屋営業法を調べて質屋営業許可の取得を経験してしまえば、あとはそれほど難しいことは有りません。

 

質屋の営業許可申請は、店舗を出す所轄警察署の生活安全課の担当者に相談することになりますが、警察の担当者も質屋営業許可の手続きや質屋開業に関しては経験が少ないのが実情です。最近のリサイクルブームで古物営業許可に関しては多数取り扱っていますが、質屋は新規営業する例が少ないので、警察の担当者も実務経験がほとんど経験がない事が多いからです。

   

そのために質屋開業を決めて営業許可を取得しようと思ったら、早め早めに警察の担当者に何でも相談することが肝心です。所轄警察の担当者も、その都度警視庁の生活安全部生活安全課に相談しているはずなので、時間に余裕をもって質屋開業申請を進めてゆくのが良いでしょう。

 

須賀質店が経験した質屋営業許可取得までの流れです。

 

①店舗を出す物件を決める

 

②その物件に基準を満たす保管庫(質蔵)が設置できることを、内装業者と確認する

 

③内装業者に保管庫(質蔵)と店舗の内装図面を作ってもらって、所轄警察署に相談に行く

 

④所轄警察署の担当者+内装業者+本人の3者で、警視庁生活安全部生活安全課に相談に行く

 

⑤保管庫(質蔵)の構造、大きさ、使用部材の詳細を伝えて、計画図面に警察の了解をもらう

 

⑥店舗物件の内装工事前の状態で、警察担当者にチェックをしてもらう

 

⑦内装工事中に警察担当者にチェックをしてもらう

 

⑧保管庫(質蔵)が完成した状態で警察担当者にチェックをしてもらう

 

⑨保管庫(質蔵)が完成してから、初めて質屋営業許可の申請書類を提出する。提出後、何も問題がなければ休日を除いて約50日後に質屋営業許可を取得することが出来る

     

現役質屋が語る「質屋の実務の習得方法」

これまで、質屋になるための営業許可の取り方とか、質屋営業許可を取るのに必要な質蔵の設置方法について解説してきました。でも許可を取った後に、実際の仕事の進め方や品物の相場価格の習得など、実務のノウハウはどうやって身に付けるんでしょうね。

 

質屋はそのほとんどが「質屋営業許可」のほかに「古物営業許可」を持っていることが普通です。質屋は質入れのほかに古物の買取をすることも出来るのですが、質屋も古物買取(←現代風に言えばリサイクルショップ)も、どうやって仕事を覚えれば良いのでしょうか。

   

①質屋やリサイクルショップに就職する

実務を短期間に覚えるには、質屋やリサイクルショップやブランド買取専門店に就職したり、アルバイトとして働くことが一番でしょう。ただ、今では質屋で新規に求人をしている会社は多くないので、リサイクルショップや買取専門店を候補にすることになります。

   

ただし、リサイクルショップやブランド買取店は営業法上では古物商になるので、質屋をすることは出来ません。質屋で質入れを短期間に学ぶには、質屋の募集広告をこまめにチェックすることになります。

   

②質屋の開業支援をしている会社に問い合わせる

ブランド買取専門店やリサイクルショップといった古物商の開業支援をしたり、フランチャイズを募集したりしている会社は以前からありました。最近では質屋の開業支援をする会社も出てきている様です。

   

コンサルタントとしてお金をもらって質屋のビジネスを指南したり、加盟店を募集して独立への資金のサポートや事業内容の研修などを行っている様です。質屋独自の利息収入を得る方法や質流れ品を処分する組合市場への参加の方法、ネット販売のノウハウなども教えている様です。

   

ただ、質屋に限らずどんな商売でも同じですが、始めるよりも長く続けて事業を継続する方がはるかに難しいので、コンサルを受ければ簡単に儲かるということでもない様です。

   

③自分で調べて独学で質屋を開業する

独学で質屋を調べて質屋の開業をする、と聞くととても難しいことの様に思いますが、このサイトの運営会社 須賀質店の管理人も、この方法がいちばん堅実に質屋の業務を覚えられるのではないかと考えています。

   

質屋の営業許可の取得方法や質蔵の設置方法は、もうすでに決められた手法があるので、その手法に則って進めるだけです。多くの皆さんが気にする相場の覚え方や品物の真贋の判断も、多くがインターネット上で取得することが出来るようになりました。

   

また、質屋や古物商など業者専門のオークションの場にも、以前は最初に入るのに審査が厳しくて新規の者はなかなか入ることが出来ませんでしたが、今では紹介者がいれば簡単に入ることが出来るなどハードルも下がってきています。

   

業者専門のオークション市場に出入りしていると、品物の相場感覚が養われますし、たまに偽物やグレー商品の取引にも遭遇することが出来て、質屋や古物商になりたての者にはとても良い勉強の場になります。私 管理人自身も、質屋になりたての駆け出しの頃は、複数のオークションに出入りして貴重な体験をすることで、その後に実務にとても役に立っています。

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質屋開業準備で運転資金準備が最重要

質屋の開業にあたり市場の問題となるのが「運転資金の準備」です。

質屋は買取の他に「質預かり」を行う業種のため、利息の収入が大変魅力的ではありますが、開業したばかりの頃は質預かりの契約も少なく、開業にあたっての施設に掛かる費用もあるため、出ていくお金の方が多くなります。

運転資金を個人で用意する事が出来れば理想ですが、億という初期投資も決して珍しくないため現実的とは言えません。開業するにあたって運転資金を準備する事はそれだけ壁が高い問題なのです。

質屋開業準備で人材選びが重要なポイント

質屋を開業する際に必要な許可や準備をご紹介いたしましたが、見落としがちになりやすい重要な事があります。それは「人材確保」です。優秀な人間を雇う事も大事ですが、ここで言いたいのは「お金を預けるに足りる信用をもった人」と言う事です。

 

質屋は多くの現金やお客様からお預かりした高価な品物を保管しています。疑いたくはありませんが、いざ目の前に大金や高価なブランド品を見てしまうと横領してしまう人が出てきてしまうかもしれません・・・。

 

また、横領品がお客様からお預かりしている品物の場合、店の評判は大きく落ちてしまい、最悪は開業しても閉店するなんて事になる場合もあります。

信頼出来る従業を見極める事も質屋開業をする際に必要な重要な準備と言えるでしょう。

質屋が語る 質屋開業のために営業許可を取る方法 まとめ

現役質屋である須賀質店が、質屋営業許可を取ることについて解説いたしました。質屋は警察の監督下にあって、営業許可をもらわなければ営業を始めることが出来ない仕事です。もし、勝手に質屋を始めてしまえば無許可営業ということになって、処罰の対象になってしまうことが質屋営業法にも書かれています。

 

そして、質屋の許可は営業店舗ごとに取らなければいけないのが特徴で、似たような業種である古物営業許可と大きく異なるところです。須賀質店の場合ですが東京都に3店舗(池袋 渋谷 五反田)あるので、それぞれの店舗で営業許可を取らなければなりませんが、古物営業許可は本店の五反田で取得すれば他の店舗は変更の届けで営業を始めることが出来ます。

   

実務で質屋営業申請を経験した感想は、保管庫(質蔵)の設計を初めて内装工事に取り掛かり、完成するまでに2~3ヶ月かかりました。そして完成から質屋営業許可の申請書類を提出して営業許可がおりるまで2ヵ月くらいかかるので、店舗物件を決めてから5~6ヵ月の時間がかかることになります。この5~6ヵ月は営業が出来ないので、店舗を賃貸で営業する場合は持ち出しが多いという印象があります。

   

それでも須賀質店が多店舗展開にこだわるのは、広いエリアのお客様に自社の質屋のサービスをアピールしてゆきたいという思いがあるのと、多数の店舗を運営できるということは会社の信用につながると考えているからです。須賀質店は現在、池袋、渋谷、五反田で運営していますが、各店舗の運営方針に差はないので、お近くの店舗で質入れ、買取の相談をしてみてください。