リボ払いの仕組みとは。利用するメリット・デメリットは?|質屋が語るお金の話

「リボ払い」という言葉を聞いたことはあっても仕組みがよく分からないという方が多いのではないでしょうか。

クレジットカード会社もおすすめの支払方法としていることの多いリボ払いですが、仕組みを理解せずに利用していると知らず知らずのうちに損をしていることも…。そんなリボ払いの仕組みやメリット、デメリットについて紹介します。

 

リボ払いとは

分割払いが「指定した回数で支払う方法」に対し、リボ払いは「指定した一定金額で支払う方法」をいいます。この一定金額というのはあくまで最低でも支払わなければならない金額なので、家計にゆとりがある場合などは多めに支払うことも可能です。

このリボ払いが利用できる場面として、クレジットカードで買い物をした際に使える「ショッピングリボ」と、クレジットカードのキャッシング機能でお金を借りたときに使える「キャッシングリボ」があります。

 

リボ払いの支払で重要な「指定した金額」はカード会社によって基準が変わっていて、定額方式、定率方式、残高スライド方式と3つに分けられます。

 

定額方式

“毎月○万円を払わなければならない”と具体的に金額が決まっている、リボ払いのなかでも最も分かりやすい支払方法です。定額方式はさらに「元利定額方式」と「元金定額方式」にわけることができます。

 

「元利定額方式」は元金と利息の合計額を毎月一定の金額にして請求される方法をいいます。例えば10万円を年15%の金利、毎月の支払額を1万円とする元利定額のリボ払いで支払うとします。

 

1回目の支払における利息は、10万円×15%×30日÷365日で約1200円です。

元利合わせて1万円として支払うので、1回目の支払は元金8800円+利息1200円=1万円という内訳です。そして1回目の支払い後の支払残高は、10万円-8800円=91200円になります。

 

2回目の支払にかかる利息は残高91200円×15%×30日÷365日=約1100円となるので、定額で返済する1万円の内訳は元金8900円、利息は1100円となります。

このように元利定額方式は毎月いくら払えば良いかという点が分かりやすいのですが、そのなかからいくらが元金の返済に充てられているのかが分かりづらい支払方法といわれています。

 

続いて「元金定額方式」ですがこちらは元金が一定額になります。先程と同様に10万円を15%の金利でリボ払い、毎月の支払い元金は1万円を支払うとします。

1回目の支払いにおける利息は元利定額方式と同じく約1200円ですが、支払う金額は元金1万円+利息1200円=11200円となります。そして1回目の支払い後の残高は10万円-1万円=9万円になります。

2回目に支払うべき利息は、9万円×15%×30日÷365日=約1100円なので、支払う金額は元金1万円+利息1100円=11100円になります。

 

最初のうちは元利定額方式よりも月々の負担は重くなりますが、元金に返済できる金額が大きい分より早く返済を終えることが可能です。

 

定率方式

毎月○万円ではなく、利用残高の○%を支払うという方法です。定額方式と同様にこちらも「元利定率方式」と「元金定率方式」があります。

例えば支払額を毎月の利用残高の20%とすると、20万円使った場合は20万円×20%=4万円を支払っていけば良いことになります。定額方式と同様、「元利定率方式」では利息と元金あわせて4万円、「元金定率方式」では元金4万円とは別に利息分を支払うということになります。

 

残高スライド方式

支払額が利用残高に応じて段階的に変わっていく支払い方法です。

利用残高が10万円以下の場合は5千円、10万円超30万円以下なら1万円と定額方式のような形態を取る「残高スライド定額方式」を取っていることもあれば、カード会社によっては利用残高が10万円以下の場合はその10%を支払う、10万円超え30万円以下ならその20%を支払うという「残高スライド定率方式」になっていることもあります。

定額・定率方式と同様に、元利均等と元金均等のどちらで支払うのかで最終的な返済総額も変わってきます。

 

リボ払いは損か得か

リボ払いの仕組みや支払イメージを紹介しましたが、実際にリボ払いを利用することのメリット、デメリットを紹介します。

 

リボ払いのメリット

リボ払いの最大のメリットは、毎月の支払い金額が一定になっているので支払うべき金額を管理しやすいことです。ある月にカード払いで多額の買い物をした、キャッシングを利用したとなったとしても手元から返していく金額は一定なので安心できます。

また分割払いと違い、繰り上げて返済ができることもメリットの1つです。大きい買い物をして、翌月に満額払うことは厳しいけど翌々月なら一気に支払うことができるといったときなどは分割払いにするよりもリボ払いにする方がお得なことがあるのです。

 

リボ払いのデメリット

毎月の支払額が管理しやすい一方で、利息や手数料を合わせると総額ではいくら払うことになるのか分かりにくいのがリボ払いのデメリットといえます。また、金利や手数料が高いのもリボ払いのデメリットの1つです。リボ払いの金利の相場は大手クレジットカード会社でも15~18%とかなり高金利に設定されています。また、毎月の支払金額の負担が少なくどれだけ使っても一定額の支払でいいという状態は金銭感覚を麻痺させてしまうきっかけにもなりえます。

リボ払いはあまり負担に感じない少額から支払っていくことが可能です。しかし、その分支払が終わるのに時間がかかり、しかも支払期間の利息は割高に設定されているということを踏まえた上で利用する必要があるのです。

 

リボ払いの返済が膨らんでしまった時の対処法

リボ払いによる返済で終わりが見えない、ついリボ払いを利用しすぎて利息の支払いが負担になってしまったというときにはどうしたら良いでしょうか。

おすすめの方法は2つあります。

 

1つめが銀行や消費者金融で扱っているおまとめローンなどを利用して、リボ払いにしておいた金額をいったん精算してしまうことです。新しいローンが現在のリボ払いの金利より低いものや、多少高くても総額で考えれば返済総額が抑えられるローンを選ぶようにしましょう。ただしリボ払いの支払い残高が多額な方や、延滞などをしている方はローンの審査に通りづらくなっているので、注意が必要です。

 

2つめの方法としてあげられるのが質屋からの借入です。質屋はローンの審査と違い、リボ払いでの残高や延滞などの情報の有無に関わらず、物さえあればお金を借りることができます。また1ヶ月程度の短い融資の場合、金利も5%以下で設定している質屋も多いので相談してみる価値はあります。

 

リボ払いはどれだけ使っても比較的少額から支払可能な仕組みを持っていますが、支払総額を把握しづらい、金利が高いというデメリットも存在します。おまとめローンや質屋などから借入をして一括返済を検討してみるのも良いかもしれません。