質屋で仕事をしていると、店頭には様々なお客様がいらっしゃいます。質屋でお金を借りる場合、一番ポイントになるのは、「お客様のお持ちになった品物がいくらの査定額がつくか」なので、質屋とお客様との間でプライベートな話をすることはあまりありません。また、質屋の側も、お客様の個別の属性が査定額に反映することがないので、趣味や家族構成などの話をすることはまずないでしょう。
そうであっても何度か取引をしているうちに、お客様の普段の仕事についてある程度予想できることがあります。質屋を利用するお客様には、宝飾品や時計やダイヤ・カラーストーンの販売業者、もしくは卸業者の方がいらっしゃるような気がいたします。守秘義務がありますので、個別の詳しい内容はお話しできませんが、例えば高級時計の販売をしている業者様が、月末の資金繰りや急な出費でお持ちの商品を質屋に持ち込み資金調達をする、といった例などです。時計の業者さまでなく、ダイヤやジュエリーの販売をしている業者様が、買い手が見つかる前の商品を質屋に預けて当面の運転資金を調達する、などの例があるようです。ご自身の在庫商品の一部を担保にして、質屋から仕入れの資金や運転資金を確保するというのは、ご自身の資産を上手く利用した資金調達方法だと思います。